何事にも真剣で まるで自分のことのように 考えてくれる 理想と現実の壁にぶつかり 悩み、苦しむことだろう そんな時、あなたの力を必要とする 人がいることを思い出してほしい もう一度「初心」を思い出してほしい 必ずあなたのことを必要としている人がいます ここに一人いることを忘れないでほしい 私はいつでもあなたの味方です |
「エッセイ」 どこの世界でも“理想と現実”は違うものです。 しかも、希望の科に勤められなくて、 おまけに、「患者さんにこうしてあげたほうがいい」とわかっているのに、 時間がなかったり、入った時にはすでにそこのやり方があったり、 どうすることもできない状況ができあがっていることがあります。 そんな中にも、人間関係がよい、給料がよい、休みが多い、やりがいがあるなど、 何か1つでいいからよいところがあれば、希望していなかった科でも、 自分が予想していなかった現実にぶちあたっても、やっていけると思うのです。 それでも「辞めたい」と思った時、病棟を見渡してください。 あなたの力を必要としている人が必ずいるはず。 もし「それでも・・・」という時には、私の事を思い出してください。 私は看護婦さんを必要としている1人です。 さて、新人の看護婦さんも、もう病棟に慣れたころでしょうか。 以前書きましたが、両手両足が動かず、気管切開で言葉も出なかった時、 実習で学生さんがついてくれたことがあります。 その学生さんは、一番長い時間私といっしょにいて、唇を読んでくれるようになりました。 唯一、私と意志の疎通ができる人でした。 半年後、その学生さんは看護婦として救命救急センターに戻ってこられました。 が、しかし、学生の時とは違い、挨拶程度のことしか話すことができません。 頭の中ではあの時と状況が違うとわかっているものの、すごく寂しい思いをしました。 「看護婦さん」の仕事というのは、“情”を持たないとよい看護ができないと思います。 だからと言って情に流されてはいけないのですが・・・。 難しいと思いますがそのへんを要領よく、患者と接してほしいです。 |