『グァム旅行』


今年、私の年間スケジュールに海外旅行はありませんでした。その私が急に行くことになったのは、姉夫婦が「グァムに行ってくるわ」と言ったので、私が「いいな〜。」と言うと姉が「一緒に行くか・・?」そんな事から始まりました。
 まず、私が心配をしたのが、電動車椅子で絶対に行きたい(自分で好きな所へ移動できる為)と思ってましたので、リフト付きの車が用意してもらえるか? これが気がかりでした。
 それで、私がしたのがインターネットによる“情報収集”です。
 グァム観光協会のホームページを見たり、雑誌で調べたり、掲示板に書き込んだり、グァムに行った友達にメールを送ったりして、情報を集めました。そこでわかったのが、友達が「旅行会社に頼んでリフト付きの観光バスを行きと帰り(空港とホテルの往復)、市内観光の時に用意してくれた。」と教えてもらいました。だから、私も旅行会社に頼んだのですが、いい返事が返ってきませんでした。しかも、グァムにはリフト付きの車をレンタルしてるところも福祉タクシーもないというのです・・・。(この時点では本当に焦りました)結局、どうなったのかというと、ツアーを申し込んだ旅行会社の窓口に行って、目の前で直接現地の同じ旅行会社の支店に電話をかけてもらうと上手く予約が取ってもらえました。
 旅行当日、いきなり私がキレル出来事がありました。それは、航空会社のマズイ対応です。
 関西国際空港から出発したんですが、最初に航空会社の受付カウンターでチケットの確認が済み、手荷物を預ける時に「電動車椅子もここで預けて下さい」というのです。ですが、旅行会社にはあらかじめ「航空会社の車椅子は身体に合わないのでしんどくなるので、自分の電動車椅子で行けるところまで行かせて欲しい」と言って、了解してもらっていたにもかかわらず伝わっていない・・・。でも、「ここでどうしても預けてもらわないと困ります。」と言われたので、シブシブ航空会社の用意した車椅子に乗り移ったのです。すると、車椅子にベルトが着いてないのです。これでは座位バランスの取れない、しかも、横の手すりの低い車椅子では危なくて仕方がないので、向こうの人もそれを見ていてやっと無理ということがわかったみたいで、「行けるところまで自分の車椅子で行って下さい。」ということになりました。私にしたら「最初から無理や!と言ってるのに・・。」という感じで、無駄な時間だけを使っただけでした。それでも自分の電動車椅子で行けたのはゲートの所までで、仕方なく航空会社の車椅子に移し替えてもらいました。勿論、ベルトが着いていませんので、リクライニングを倒して寝てるような状態で待ってました。そこで、私と一緒に行った人が「ホンマの病人みたい」と一言・・・。
 一難去ってまた一難。カウンターの女性が「そのバッテリーは液体ですか? 固体ですか?」と聞くので、思わず「それもあらかじめ文章で知らせてる!」と言いたいところを我慢して「固体です。」(バッテリーによって電動車椅子を乗せる場所が違うらしい)と答えました。すると、「係りの者と相談しますから、少しお待ち下さい。」と言われて待っていると、男性が来られて「このバッテリーは液体ですか? 固体ですか?」と聞くので、またかと思いながら「固体です。」と答えました。そういうことが後2回ほど続き、なんか出発前から嫌な気分・・・。結局、20分〜30分待たされて、シビレを切らせた私が「両替に行っていいですか?」と聞くと「いいですよ」と・・・。思わず「それやったら早よ言えよ!」と思いながら両替に行きました。
 これがグァムに行くとどういう対応になるかというと、1人の人が私に付いて下さり、私が答えるのではなく、付いて下さった人が全て対応して下さるのです。しかも、飛行機の乗り口まで自分の電動車椅子で行かせてもらいました。一体、この違いは何なんでしょうか?
 グァムは私の予想に反して暑くもなく、寒くもなく、本当にちょうど良かったです。ただ、建物や乗り物の中は冷蔵庫のように冷房がきいていて寒いぐらいです。(ご注意を!)
 私なんかは全面介助ですので、トイレ、洗面、お風呂、etcの改造してある部屋はいりませんので、どこにでも旅行はしやすいと思います。だから、部屋が電動車椅子が通れるぐらいのスペースさえあれば大丈夫ですので楽だと思います。
 ツアーの中に半日観光が付いていたのですが、当然の事ながらリフト付きの観光バスを無料で用意してくれました。そして、恋人岬、スペイン広場、水中展望台、マイクロネシアモール、デュティーフリー、と連れて行ってもらいました。
 ここで笑うのが、昼食も付いていたのですが、レストランまで道路を挟んだ反対側にもかかわらずリフトで観光バスに乗せていくのです。はっきり言って歩いた方が絶対に早いのに・・・。ただ、向こうは車社会ということもあって歩道とか横断歩道の整備はできていません。アッ、そうそう、もし行かれることがあったら気を付けた方がいいのが、日本みたいに横断歩道が白く線が引いてありませんのでわかりにくいのと、横断歩道を渡る時の信号の変わるのがめちゃくちゃ早いのです。3秒ぐらいで赤になるので気を付けて下さい。でも、最後の方になると横断歩道がないところで車が少なくなるのを見はらかって渡ろうとしていると、向こうの車が止まってくれることが良くありました。
 グァムに来て海を見ないわけにはいきません。ちょうどホテルの裏が海だったので買い物の帰りに寄りました。みんなが水着に着替えに行ってる間、私は1人で砂浜を電動車椅子で走ってました。(気分は最高!)何故か、止まるとタイヤが砂に埋もれるからです。 ここで日本との違いがありました。それは、現地の人は砂浜をウォーキングしてる人が多いのですが、私とすれ違うときには必ず「ハロー!」と親指と小指を立てて言ってくれるのです。これは嬉しかったですね。(スーパーでも同じでした。)でも、ビキニの水着を着た金髪のバストの大きい女性が、やっぱり「ハロー!」と声をかけてくれたときには、思わず後ろを付いて行こうかなと思ったのですが、ウブな私は「ハロー!」と言い返したものの下を向いてしまいました・・・。
 半日観光に付いてくれたガイドさんや現地のツアーデスクの人に聞いてもリフト付きのバスの事は知らないみたいで・・・。予約をしてないと乗れないのかなと思って、ホテルの前で何気なしに姉を待っていると、バスの横に“車椅子マーク”を付いてるのを見つけたのです! 早速、ツアーデスクの人に言うと「調べてみます。」と言って、1日何本何時に運転してるのか、毎日調べて下さり教えて下さるのです。これによって凄く行動範囲が広がったのは言うまでもありません。ちなみに、料金はツアーについてたフリー乗車券があったのでタダでした。もし、フリー乗車券が付いてなかったとしても2jです。
 色々なところで人の優しさを感じられたのですが、私は“ドッグレース”に絶対に行きたいと思ってました。しかし、リフト付きのバスがそこまで運行していないのです。そんなことでへこたれる私ではありません。歩いてでも行こうと思って話をしていると、パークホテルから徒歩5分ぐらいの所にあるコンビニの「大阪屋」さんのご主人が「車で乗していってあげる」と言われ、トヨタのサーフに詰め込まれてでしたが連れて行って下さいました。しかも無料で・・・。「これは清水君やから・・。」と思われる人がいるかもわかりませんが、これが違うんです。ここの店の人はお客さん全員に親切にして下さるのです。だから、「安くて美味しい店を教えて欲しい」というと車で連れて行ってくれます。何か、その人も元は大阪の枚方出身だそうですが、向こうに住むと“優しく”慣れるのかなと思って・・・。一体何が日本と違うのか? 不思議です。皆さんも一度行く機会がありましたら、コンビニの「大阪屋」に是非行ってみて下さい。
 食べ物は、私の好きなサンドイッチやホッとドック、肉など本当に美味しい物が食べられて幸せでした。その中でも、ハードロックカフェでサンドイッチをたのんだとき、出てきたのはフライドポテトの山盛り・・・。思わず「こんなん注文してないで!」と思いながら良く見てみると、サンドイッチが埋もれていたのです。本当にどっちがメインなのかと思ったぐらいでした。  本当に楽しい旅行でした。たまには、こういうこともないと「やってられへんな!」という感じです。これで、これから迎える文化祭シーズンを頑張って乗り切られると思います。頑張るぞ!