2008年3月

 「3月26日」に桑田が引退表明しました。
 いつかこんな日が来ると思っていましたが、とうとう来てしまいました。突然の出来事だったので、本当にびっくりしたけど、とにかく、「長い間、お疲れ様でした。」
 私が桑田を見たのが27年前の中学3年の春でした。あの時から速かった! でも、俺も負けてるとは思わなかった。そして、桑田との2度の対戦。負けることもなかった。だから、PLに誘った。
 いつ頃から立場が逆になったのかというと、それは、私が高校2年の夏前、私がケガをしてから・・・。  桑田が甲子園で投げてる姿をスタンドで見ていた。本当に羨ましかったのと悔しかった。「本当だったら俺が甲子園のマウンドに立っているはずだったのに・・・。」と思うと涙がこぼれたのを今でも覚えてる。だけど、次に桑田を見た時には私が知っている桑田ではなかった。そうです。桑田は【甲子園】が育てたのです。私が知ってる桑田が一番凄かったのはこの時期です。ストレートの速さ、カーブのキレ、コントロール、何をとっても文句の付けようがなかった。勿論、私が見てきた投手では一番!
 一つだけ残念なことは、甲子園で一緒に優勝したかった。優勝していたら俺もプロに行ってたと思う。こうみてみると、二人にとって【甲子園】は人生のわかれ道だったのかも知れない。
 野球ができなくなって、その分、桑田に自分の叶えられなかった姿をだぶらせて見るようになった。だから、桑田の活躍が自分のことのように嬉しかった。楽しみだった! でも、それも今日で終わりかと思うととても寂しい。俺の野球は誰がやってくれるのか?
 俺の野球人生も今日で終わり。もっと野球をやりたかったけど、自分のミスで、自分の大切な身体の自由を失い、大好きな野球を自らできないようにしてしまった。せめてキャッチボールぐらいできたら良かったけどそれすらできない。本当に情けないとしか言いようがない。それでも、今日までは野球をやってきてたつもりでいた。その糸がプツリと今日切れた・・・。「野球選手清水哲も引退します。」
 桑田は引退するというけど、引退試合はどうするんだろう? 日本プロ野球はしらんふりするのでしょうか? 最後の花道は飾ってあげたい。飾ってあげて欲しい。飾ってあげるべきだと思う。それだけ、日本の野球に貢献した選手だと思います。できることであれば、日本の文化とも言える「高校野球」で桑田ほどの成績を残した選手はいないのです。そして、プロ野球界での活躍を考えれば国民栄誉賞を上げてもおかしくはないと思う。今後、桑田ほどの選手は私が生きてる間には現れないと思う。10年、20年に1人の選手ではなく、50年、100年に1人の選手だと思います。
 最初は野球の試合で投げてる姿をを見ただけだった。そして、2度の対戦で敵だった二人が味方になり、夢の甲子園の舞台へと繋いだ。ここまでは良かったけど、障害者とプロ野球選手という全く別の道を歩むことになった。だけど、今、またもう一度同じ道を歩める時が来たのだ。できることであれば、一緒に仕事がしたい。福祉のことでも野球のことでも何でも良い。とにかく、一緒に何かをしたい。それが、今まで応援して下さった人への感謝表現だと思う。 また一緒に力を合わせて何かをしたい。桑田には俺に持っていないものを持っている。だけど、俺には桑田が持っていないものがある。二人が力を合わせるときっと何かができると思う。それがこれから二人がやらなければいけないことだと思う。
 桑田、良くぞここまで頑張ってくれた。ケガさえなければ200勝は簡単に勝てたと思う。まだまだやり残したことはあると思うけれど、もう心配はいらない。最後の決断、勇気がいったと思う。しばらくは身体を休める時間を作って、これからの人生のことをゆっくりと考えて欲しい。「長い間、本当に有り難う!」